続いて、冨田総合政策推進局長が要請内容を説明しました。
【要請のポイント】
〇被災地の農水産物や食品に関する風評被害対策として、安全証明や販路拡大の支援を徹底するとともに、国内外に向けて迅速かつ正確な情報発信を行う。
〇国・地方自治体は、農業・水産業の安定した経営基盤の構築および生産性の向上、持続可能な健全な発展を通じて、わが国の食料安全保障の根幹となる食料自給力の向上を戦略的に推進する。加えて、「緊急事態食料安全保障指針」にもとづき、効率的な備蓄、安定的な輸入の確保を実施するとともに、世界的な人口増加や、気候変動による減産、自然災害や紛争など、食料供給に影響を与える多様なリスクの影響度や発生頻度、対応の緊要性について分析・評価し、リスクごとの具体的な対応手順をとりまとめるなど、食料の安定供給体制の維持・充実をはかる。
〇国・地方自治体は、農業への新規参入や新規就農を促進するための支援・環境整備を充実し、持続可能な産業基盤の確立と成長産業化に資する担い手の育成・確保を重点的にはかる。
舞立政務官からは、要請内容について以下のとおり回答がありました。
●昨年のALPS処理水海洋放出に関し、農水省は漁業者支援や安全証明に取り組み、IAEAとの連携も含め、科学的根拠にもとづかない輸入規制強化を行った国への対応を実施した。安全証明・販路拡大・情報発信は重要な課題として、福島県との連携のもと引き続き取り組みたい。
●食料自給力については国民の関心が高まってきたと感じている。農業は年金受給世代が担っており、年金収入がなければ成り立たない農家が多い。今回の食料・農業・農村基本法の改正を通じて農産物の適正な価格形成を実現し、国内供給体制を強化していきたい。あわせて、不測時における食料安全保障に関しても法制化する予定である。
●農業の担い手が減少する中、生産水準を維持すべく、スマート農業や農地集約の推進などで対応したい。法人経営・家族経営ともに働きやすい労働環境づくりにも取り組んでいる。価格転嫁や賃上げについては、第一次産業への波及も含めて連合にもご協力をいただきたい。
最後に、冨田総合政策推進局長から「これから春季生活闘争が本格化していく中で、連合としては賃上げと適正な価格転嫁に向けて取り組んでいく」と述べました。