2024年1月22日夕刻、首相官邸で「政労使の意見交換」が開催され、連合から芳野会長、清水事務局長が出席しました。
<芳野会長の発言要旨>
〇価格転嫁と賃上げについて3点ほど申し上げる。
〇1点目は今年の賃上げに向けた価格転嫁について。中小企業庁が先日公表した「価格交
渉促進月間(2023年9月)」のフォローアップ調査結果では、コスト全体の転嫁率は
45.7%となっており、2023年3月の47.6%から1.9ポイント下がりました。価格転嫁が
必要であるという認識が広がりつつも、より高い転嫁率をめざして粘り強く取り組むこ
とが必要であると考えます。指針に加え、法律面についても、独占禁止法や下請け法な
ど、法の在り方や論点整理を行い、価格転嫁が適正に進むよう検討していただきたい。
〇2点目は指針の周知活動についてです。昨年11月に公表された「労務費の適切な転嫁の
ための価格交渉に関する指針」は、大きな前進ではあるものの、これからは職場・現場
で具体的な価格交渉が進んでいくように、業種や業界ごとの実態に踏み込んでいく必要
があります。本日までに、各ブロック単位で全国の事業場等の経営者、管理者、調達
担当者を対象とする説明会で周知が進められておりますが、「モノやサービスは安けれ
ば安いほどよいということではなく、働きの価値に見合った適正な価格が大事だ」とい
う点について、多くの生活者の理解を促していくことも重要です。社会に向けた世論
喚起として、公共広告の活用なども検討いただきたい。
〇3点目は地方版の政労使会議についてです。昨年11月の政労使の意見交換でも申し上げ
ましたが、各都道府県においても政労使が課題認識を共有する場を設け、「労務費の適
切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を周知することとあわせて、中小企業が賃上
げの原資を確保できるような取引環境を整備し、地域の活性化につながる取り組みを着
実に進めていただきたい。
以 上