労働相談

 

労働相談Q&A

12.法定労働時間
Q
朝早くから夜遅くまで働かされている。
A
1日8時間・週40時間であり、これを超える部分は原則として時間外労働となる。
法律のポイント
小規模事業場に係る特例を除き、週40時間制が全面適用(労基法第32条、第40条)。
解説
法定労働時間とは

 1日8時間・週40時間と労働基準法で定められた労働時間の上限である。残業(時間外労働)または法定休日に労働させる場合には、事前に「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)」を労使で締結し、労基署への届出が必要。

法定労働時間の特例

 商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業及び接客娯楽業のうち、常時10人未満の労働者(パートタイム労働者・アルバイト等も含む)を使用する事業場については特例措置対象事業場として、週44時間の特例が設けられている(労基法第40条)。10人未満とは、企業全体の規模ではなく、工場、支店、営業所等、個々の事業場の規模である。
 なお、1日の法定労働時間は8時間で変わらない。

※「勤務間インターバル制度」については「19 休憩時間」を参照。

1週44時間の特例措置対象事業場の業種

  1. ① 商業(卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、その他の商業)
  2. ② 映画・演劇業(映画の映写、演劇、その他興業の事業)
  3. ③ 保険衛生業( 病院、診療所、社会福祉施設、浴場業、その他の保健衛生業)
  4. ④ 接客娯楽業( 旅館、飲食店、ゴルフ場、公園、遊園地、その他の接客娯楽業)
<参照条文>

労基法第32条、第40条
労働時間等設定改善法第2条第1項

法定労働時間制度一覧
制度名等 適用範囲・要件 規制内容
  原則 10人未満のサービス業等(特例事業等)を除く全産業 週40時間、1日8時間
変形労働時間制による特例 1カ月単位の変形労働時間制
  1. ① 就業規則などで対象とする週、日を特定した場合
  2. ② 請求のあった妊産婦及び年少者(満18歳未満の者)は除く
  1. ① 1カ月以内の変形期間を平均し、週40時間(特例事業場等は44時間)を超えない範囲内
  2. ② 1日、1週の所定労働時間の上限なし
1年単位の変形労働時間制

(1)下記以外の労働者
労使協定を結んだ場合のみ。一般職の地方公務員、請求のあった妊産婦、年少者を除く

  1. ① 1年以内の期間を平均し、週40時間以内
  2. ② 1日10時間、週52時間が限度。対象期間が3カ月を超える場合、週48時間を超える週は連続3週以内、3カ月に区分した期間ごとに3回以内とする。
  3. ③ 休日は週1日
(2)積雪地域の建設業の屋外労働者等
  1. ① 1年以内の期間を平均し、週40時間内
  2. ② 対象期間の区分なく、1日10時間、週52時間が限度
  3. ③ 休日は週1回
(3)タクシー業の隔日勤務者
  1. ① 1年以内の期間を平均し、週40時間以内
  2. ② 1日16時間。週については、上記(1)に同じ
  3. ③ 休日は週1回
1週間単位の変形労働時間制 29人までの小売業、旅館、料理店及び飲食店(上記1年単位の変形制(1)と同じ)
  1. ① 週40時間以内
  2. ② 1日10時間が限度
フレックスタイム制 一般職の地方公務員、年少者は除く 清算期間を平均し、週40時間(特例事業場等は44時間)以内
業種・業務による特例 特例事業(小規模サービス業)等の特例 9人までの商業、映画・演劇業(映画製作事業を除く)、保健衛生業及び接客娯楽業
  1. ① 週44時間
  2. ② 1カ月単位の変形労働時間制及びフレックスタイム制による労働可
みなし労働時間制 (1)事業場外労働
(2)裁量労働
実労働時間について、みなし労働時間制を適用できる
労働時間法制の適用除外 次の者が対象(年少者は除く)
  1. ① 農業、水産業に従事する者
  2. ② 管理監督者、機密事務取扱者
  3. ③ 監視・継続的労働従事者で労基署長の許可を受けた者
労働時間、休憩、休日に関する規定は適用除外
高度プロフェッショナル制度 健康確保措置や本人同意・労使委員会決議等の要件を満たす、職務範囲が明確な高度専門職で一定の年収を有する労働者 時間外・休日労働協定の締結、時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の規定は全て適用除外
年少者の特例 原則 15歳以上18歳未満の者 週40時間、1日8時間
1日の労働時間延長 15歳以上18歳未満の者 週40時間を超えない範囲内で、1週のうち1日を4時間以内に短縮した場合、他の日を10時間まで延長可
年少者の1カ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制 15歳以上18歳未満の者 1週48時間、1日8時間を超えない範囲内で、1カ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制によること可
7時間労働制 修学児童(13歳以上15歳未満)で、労基署長の許可を受けた場合 修学時間を通算して週40時間、1日7時間
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