「労働者数50人以上の事業場」とは、産業医の選任義務が課せられている事業場と同じであり、パートタイム労働者やアルバイトも含まれる(安衛法第13条、安衛法施行令第5条)。
法人単位ではなく、事業場(店舗、支店など)単位で判断される。法人全体で労働者数50人を超える場合でも、事業場単位でみたときに50人未満であれば、実施義務の対象とはならない。
「労働者数50人未満の事業場」については、当分の間、努力義務となる。
ストレスチェックの対象者は、一般定期健康診断の対象者と同じ範囲となる。すなわち、正社員に加え、1年以上の雇用継続が見込まれ、所定労働時間が正社員の4分の3以上のパートタイム労働者も対象となる。
ストレスチェックの結果は、実施した医師等から、労働者本人に直接通知されなければならず、労働者本人の同意を得ることなく、会社への結果提供をすることはできない。
ストレスチェックの結果で高ストレスと評価された労働者本人から面接指導の申出があった場合、会社は医師による面接指導を実施しなければならない。
プライバシーの保護:事業者がストレスチェック制度に関する労働者の秘密を不正に入手するようなことがあってはならない。ストレスチェックや面接指導で個人の情報を取り扱った者には、法律で守秘義務が課され、違反した場合は刑罰の対象となる。事業者に提供されたストレスチェック結果や面接指導結果などの個人情報は、適切に管理し、社内で共有する場合にも、必要最小限の範囲にとどめる。
不利益取扱いの禁止:事業者が以下の行為を行うことは禁止されている(安衛法第66条の10第3項)。
①次のことを理由に労働者に対して不利益な取扱いを行うこと
②面接指導の結果を理由として、解雇、雇い止め、退職勧奨、不当な動機・目的による配置転換・職位の変更を行うこと
個人特定のおそれがあるため、集団規模が10人以下の集団(部、課、グループ等)については、全員の同意がない限り結果の提供を受けてはいけないが、ストレスチェックがやりっぱなしにされず、職場環境の改善がはかられるためにも、職場分析(集団分析)が望ましいとされている(努力義務)。
ストレスチェックと面接指導の実施状況は、毎年、労基署に所定の様式で報告する必要がある。
出所:厚生労働省HP「ストレスチェック制度導入マニュアル」
(https://www.mhlw. go.jp/content/000533965.pdfをもとに連合編集